社会福祉法人 新会計基準 ①背景と目的
皆さまこんにちは。税理士法人サポートリンクの梅谷です。
今日は少し固めの記事になります。
平成23年7月27日、厚生労働省より「社会福祉法人会計基準」(以下、新会計基準)が公表され、平成27年度以降全ての社会福祉法人に対して、適用が強制されます。
社会福祉法人は、大阪府内に約1,200法人、兵庫県内に約800法人あり、これらすべての法人に強制適用となるため、その影響は非常に大きなものであると言えます。
また、法人の規模や人員数も大小様々であり、全ての法人が会計ソフトを使用して計算書類を作成しているとは言えない状況ではないでしょうか。
我々は、今回の制度変更による新会計基準の導入について、時間的、人員的制約から自社内で全て完結することが困難な状況にある法人様に対して、よりスムーズな導入をサポートすべく、日々努力している次第です。
今回から複数回に亘り、新会計基準導入の背景から、主な変更箇所、導入にかかる留意点等を記載したいと思います。
今回は導入の背景と目的及び基本的な考え方を記載します。
【背景・目的】
- 会計ルール併存による事務処理の煩雑性、他社比較の困難さ
- 社会福祉法人の会計処理については、平成12年度以降、「社会福祉法人会計基準」のほか、「指導指針」(略称)や「老健準則」(略称)等、様々な会計ルールが併存しており、事務処理が煩雑で、同じ会計事象であっても計算処理結果が異なり比較が困難である等の問題が指摘されていました。
- 社会福祉法人の経営実態等に対する透明化の要請
- 社会福祉法人は、公的資金・寄付金等を受け入れているという特殊性から、事業の効率性に関する情報や経営実態をより正確に反映した形で公表する責任があり、事業活動の透明化への要請が高まっていました。
- 上記【背景】の指摘の解消と要請にこたえるべく、簡素で分かりやすいたな社会福祉法人会計基準を作成し、会計基準の一元化が図られました。
【基本的な考え方】
- 社会福祉法人が行う全ての事業(社会福祉事業、公益事業、収益事業)が適用対象となっています。
- 実質的に一般の企業会計と同様の会計手法が導入されたことを意味しており、一般企業や他の公益法人等との比較可能性が確保されました。
梅谷